村岡社会保険労務士事務所主要業務

2009年03月04日

三六協定 本社一括届出の要件


新年度を前に三六協定や1年単位の変形労働時間制に関する協定を締結する事業所が多いと思います。

労働保険のように労働基準法関係の届を一括できれば便利ですが、就業規則と三六協定は一括で届けることが可能です。

三六協定の本社一括届出の要件は、「時間外・労働休日労働に関する協定届(様式第9号(第17条関係))」の記載欄で、
・事業の種類
・事業の名称
・事業の所在地
・労働者数

上記4箇所以外がすべて同じであることが必要です。
したがって、事業場の労働者の過半数が加入している労働組合がない場合は一括で届出することはできません
中小企業にはハードルが高いように思います。

一括で届け出る場合はそれぞれの事業所分の三六協定を作成し、さらに「届出事業一覧表」を作成する必要があります。

届出事業一覧表には、「事業場の名称」、「住所(電話番号)」、「管轄労働基準監督署名」を記載します。

したがって全支店を1枚の紙に記載するのではなく、それぞれの支店分の三六協定が必要で、それぞれの監督署に送っていた手間を監督署(又は労働局)がそれぞれの監督署に送付するというイメージです。

あと一括の場合、様式第9号のみになるので、様式第9号の2(事業場外のみなしとセットのもの)などは一括届出出来ません。
あと勝手なカスタマイズ(A1年単位の変形労働時間制により労働する労働者が該当ないので行を削除するなど)は様式第9号とはいえないので不可となります。

当事務所でも三六協定や1年単位の変形労働時間制に関する協定届の相談、作成届出を承っております。
メール又は気軽にご相談ください。



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歩合給制の有給休暇中の賃金


年次有給休暇(労働基準法第39条)に対する賃金は、3種類あります。

1.平均賃金(労働基準法第12条)
2.所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金
3.標準報酬日額(健康保険法第99条)

給与で歩合給が支払われるような場合、その際の有給休暇の賃金に含めないといけないかが問題になります。


1.平均賃金の場合、有給休暇を取得した日以前、直前の賃金締切日3ヶ月間に支払われた賃金総額をその間の暦日数で割って算出します。
この場合、歩合給は含めて計算することになります。


2.通常の賃金の場合、歩合給を含めずに計算すると、仮にすべてが歩合給の労働者が有給休暇を取得した場合、賃金はゼロになり有給をとったとはいえません。

出来高払制その他の請負制によって計算された賃金の総額(歩合給)を当該賃金算定期間における総労働時間数で除した金額に、当該賃金算定期間における1日平均所定労働時間数を乗じた金額で計算することになります。(労働基準法施行規則第25条第6号) 

歩合÷その月の総労働時間数×その月の1日の平均所定労働時間数

例.歩合30万、総労働時間数220時間、1日平均所定労働時間数8時間
30万÷220×8≒10,909円(例で支払われるべき通常の賃金)

基本給や手当など出勤したものとして計算する他に歩合については上記計算で算出したものを参入する必要があります。


3.標準報酬日額を支払えばよいことになります。


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2009年03月03日

業績悪化に伴う内定取消はどのような場合に認められる?


◆業績悪化に伴う内定取消が増加

米国のサブプライムローン問題に端を発した世界的な金融危機に伴う急激な株価下落や景気悪化の影響による企業の業績悪化・業務縮小・事業撤退などを理由として、来春就職予定の学生の内定が取り消されるケースが相次いでいるそうです。業種は、不動産、住宅販売、建設、生命保険、ホテル、情報通信、システム開発、専門商社など多岐にわたっています。
大学側では「企業の業績悪化が深刻化してくるとさらに内定取消が増加するのでは」「実際にはもっと多くの学生の内定が取り消されているかもしれない」「この時期にこんなに内定取消が相次ぐことはここ数年間なかった」などといった不安の声もあがっているようで、また、2010年春に卒業・就職予定の現在の大学3年生の就職活動にも影響が出てきそうです。
企業・大学・学生いずれにとっても非常に深刻な問題である内定取消は、どのような場合に認められるのでしょうか。

◆裁判所の考え方は?

内定取消は、一般的に「客観的にみて内定を取り消してもやむを得ない事情がある場合」にのみ許され、単なる業績悪化だけを理由として簡単に認められるものではないとされています。
裁判例(大日本印刷事件:最判昭和54年7月20日)では、会社が応募者に「採用内定通知」を発して、応募者がこれに応じる旨の「誓約書」を提出した場合には、入社日を「採用内定通知」に記載された時期とし、「誓約書」に記載された採用内定取消事由が発生したときは当該契約を解約できるとの解約権が留保された労働契約が成立していると考えられる、としています。
さらにこの留保解約権については、内定の当時知ることができず、また知ることが期待できないような事実であって、これを理由として採用内定を取り消すことが客観的に合理的と認められ社会通念上相当として是認することができるものに限られる、としています。

◆「整理解雇の4要件」との関係

また、経営悪化を理由とする採用内定取消の場合について、いわゆる「整理解雇の4要件」の考え方に沿った判断を下した事例がありあます(インフォミックス事件:東京地決平9年10月31日)。
この事案では、
(1)人員削減の必要性、
(2)採用内定取消の回避の努力、
(3)人選の合理性は認められるが、
(4)手続きの面において十分な説明が欠けていたとして、採用内定の取消が無効と判断されています。したがって、採用内定を取り消すべきかどうかは、上記の4要件の考え方に沿って慎重に考えなければなりません。




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