村岡社会保険労務士事務所主要業務

2011年03月16日

計画停電における休業手当の取り扱い

東日本大震災において犠牲になられた方々とご遺族の皆様に深くお悔やみを申し上げるとともに、被災された方におかれましては、一日も早く普段の生活に戻られるよう、皆様のご無事を心よりお祈り申し上げます。

計画停電時における休業について、労働基準法第26条(休業手当)の取り扱いについてご案内いたします。



基監発0315第1号

平成23年3月15日


都道府県労働局労働基準部監督課長 殿

厚生労働省労働基準局監督課長


計画停電が実施される場合の労働基準法第26条の取り扱いについて


 休電による休業の場合の労働基準法(昭和22年法律第49号。以下「法」という。)第26条の取り扱いについては、「電力不足に伴う労働基準法の運用について」(昭和26年10月11日付け基発第696号。以下「局長通達」という。)の第1の1において示されているところである。
 今般、平成23年東北地方太平洋沖地震により電力会社の電力供給設備に大きな被害が出ていること等から、不測の大規模停電を防止するため、電力会社において地域ごとの計画停電が行われている。この場合における局長通達の取り扱いは下記のとおりであるので、了知されたい。



1 計画停電の時間における事業場に電力が供給されないことを理由とする休業については、原則として法第26条の使用者の責めに帰すべき事由による休業には該当しないこと。

2 計画停電の時間帯以外の時間帯の休業は、原則として法第26条の使用者の責めに帰すべき事由による休業に該当すること。ただし、計画停電が実施される日において、計画停電の時間帯以外の時間帯を含めて休業とする場合であって、他の手段の可能性、使用者としての休業回避のための具体的努力等を総合的に勘案し、計画停電の時間帯のみを休業とすることが企業の経営上著しく不適当と認められるときには、計画停電の時間帯以外の時間帯を含めて原則として法第26条の使用者の責めに帰すべき事由による休業には該当しないこと。

3 計画停電が予定されていたため休業としたが、実際には計画停電が実施されなかった場合については、計画停電の予定、その変更の内容やそれが公表された時期を踏まえ、上記1及び2に基づき判断すること。

posted by 村岡社会保険労務士事務所・大阪 at 13:51| 賃金

2009年10月14日

使用人兼務役員には、年次有給休暇を与えなくてもよい?

年次有給休暇は一定の要件を充たした労働者には付与する必要があります。

http://www.sr-muraoka.com/r5-yukyu.html

取締役営業部長など兼務役員については年次有給休暇を与えなくてもよいのでしょうか?

使用人兼務役員のうち、一定の要件を満たし、実質的に労働者性が強いと認められる者については、年次有給休暇を付与する必要があります。(s23年3月17日基発第461号)
「法人の重役で業務執行権又は代表権を持たない者が、工場長、部長の職にあって賃金を受ける場合には、その限りにおいて法9条に規定する労働者である」とされていることからも、労働者性がある限りは年次有給休暇を付与する必要があります。





posted by 村岡社会保険労務士事務所・大阪 at 23:45| 年次有給休暇

2009年06月26日

学生アルバイトなど所定労働時間が短い場合の出勤率(労働日)の計算



年次有給休暇(労働基準法第39条)

使用者は、その雇入れの日から起算して6箇月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した10労働日の有給休暇を与えなければならない。

パートタイム労働者や学生アルバイトなど一定の要件を充たす労働者の場合は、この10労働日を少なくして与えてもよいことになっています。これを比例付与といいます。


年次有給休暇の比例付与の対象となる労働者
・週の所定労働時間が30時間未満、かつ週4日以下の所定労働日数の労働者
・週の所定労働時間が30時間未満、かつ年216日以下の所定労働日数の労働者

比例付与形式で年次有給休暇を与える場合、出勤率の計算(全労働日の8割以上の出勤)が問題になります。

パートや学生アルバイトの場合、週何日の何時間といわゆる正社員などと比べて短く設定されています。
仮に週3日、1日4時間の契約で働いている場合、8時間労働した者を1日、4時間勤務の者を0.5日と計算することはいけません

労働日とは所定労働時間の長短を問わず、仮に1分しか働いていなくても1労働日と計算しなければいけません。

関連判例・・・エス・ウント・エー事件(H4.2.28最高裁第3小法廷判決)

参考リンク・・・年次有給休暇


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2009年06月01日

あなたの会社に労働基準監督官がやってきたら・・・情報監督

もし突然、あなたの会社に労働基準監督署を名乗る者がやってきたら・・・

 中には、監督署を名乗って、独身男性の個人情報を持って帰ったり、本を無理矢理買わせて高額な代金をせしめたりする輩もいます。
 まずは警察手帳の監督署版、監督官であることの証票(黒い手帳)を見せてもらい、身分を確認することが必要です。(労働基準法第101条2項)
それでも信用できないときは、所属監督署に電話をして、容姿など伝え、間違いないか確認しましょう。


まず会社にやってきたか理由を尋ねます。
「○○さんの労働条件について・・・」とか「○○さんの残業代が払われていないので、・・・」などであれば、その○○さんが監督署に実名を出して、駆け込んだと言うことになります。
「労働条件について、近隣の会社を回って調査しています」などという場合は、まず間違いなく情報監督になります。

 情報監督は、監督署に匿名の手紙や匿名での申告に応じて、会社を監督するものです。優先度は実名をあげて監督するものより低く、情報の確度の高いものから順次行っているのが現状のようです。
匿名の手紙が多く、処理が追いつかず3〜6ヵ月後に行われているのが実情のようです。
監督署は暇な役所ではないので、あてもなく巡回して労働基準法違反などなかったら、それこそ税金の無駄遣いになるわけです。
たいがいは一度電話でアポを入れてからやって来ることが殆どですが、電話が繋がらなかったり、アポを入れると書類を隠したり改ざんされる恐れがある場合は、突然と言うことになるようです。

いずれにしろ監督官がやってくるということは、何らかの根拠があると言えます。

ちなみに犯人探しをして、それを理由に解雇労働条件不利益変更は禁じられています。(労働基準法第104条2項)


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2009年05月28日

三六協定 自動更新できるか?



三六協定(労働基準法第36条)で協定する項目は以下のとおりです。
・時間外または休日の労働をさせる必要がある具体的理由
・対象労働者の業務、人数(業務区分の細分化、時間外労働が必要な業務範囲の明確化)
・1日についての延長時間のほか、1日を超え3ヶ月以内の期間及び1年間についての延長時間三六協定
・休日労働を行なう日とその始業・終業時刻
有効期間


このうち有効期間は、労働協約以外で三六協定を締結する場合は必ず定めなければなりません。
また労働協約の場合有効期間を定める場合は3年を超える有効期間を定めることは出来ません。(労働組合法第15条)


しかし、労働基準法施行規則第17条2項では、自動更新について以下のように規定しています。

法第三十六条第一項 に規定する協定(労使委員会の決議及び労働時間等設定改善委員会の決議を含む。以下この項において同じ。)を更新しようとするときは、使用者は、その旨の協定を所轄労働基準監督署長に届け出ることによつて、前項の届出にかえることができる。

協定期間満了前までに破棄や改正のない場合は自動更新するなど一定の要件、労使双方の合意や黙示などにより更新される旨を定めておく必要があります。

自動更新の届出は、以下のものを所轄労働基準監督署長へ提出することにより、効力が発生します。
・更新のつど、使用者は労使当事者が更新することについて異議がなかったことを証する書面(様式任意)
(更新の届出書に労使当事者双方が記名捺印するなど)
(労働基準法施行規則第17条2項、S29.6.29基発355号)
・以前の三六協定(自動更新する旨の条項と監督署受理印のあるもの)

三六協定は原則的な労働時間を超える必要があった場合に免責されるという性質を考えると、その都度実情に応じ最小限度時間を設定するのが望ましい。
したがって三六協定は、自動更新ではなく、その都度協定するのが良いでしょう。

当事務所でも三六協定や変形労働時間制導入関する相談や作成届出を承っております。


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2009年05月18日

インフルエンザ対策のための自宅待機は無給でよい?

ついに国内でも新型インフルエンザ感染が広がりを見せています。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090518-00000074-san-soci

以前にも新型インフルエンザについては記事にしました。
http://roumukanri.sblo.jp/article/28742836.html
http://roumukanri.sblo.jp/article/26205607.html


 新型インフルエンザの流行に備え、A社では社内対応策を検討しています。海外の新型インフルエンザ発生地域から帰国した社員に対して、安全が確認されるまで自宅待機をさせたいと考えていますが、この期間は無給にすることはできるのでしょうか?


◆国の行動計画では


 大流行が懸念されている新型のインフルエンザについて、国の行動計画が策定されています。行動計画では、世界的流行が起こる前からピークを迎えるまでの流行の状況を6つのフェーズに分類し、各フェーズごとに国内で発生していない場合(A)と発生している場合(B)に分けて国が行う措置が定められています。
 

◆フェーズ4B以上で可能

 フェーズ4(ヒトからヒトへの感染が確認されているが、感染集団は小さく限られている段階)でB(国内で発生)となった場合、国は新型インフルエンザ患者やその疑いのある者に対して入院勧告や発生地域の企業に対して新型インフルエンザの症状が認められる社員に出勤停止や受診勧告を行います。
 国の勧告に従い、感染者やその疑いのある社員を自宅待機させる場合は、休業手当の支払いは不要となり無給とすることができます。


◆フェーズ4Aでも

 また、フェーズ4以上でA(国内で発生していない)となった場合は、国内流入を防ぐため、発生地域からの入国者に対し質問票や診察で患者を振り分けることがあります。そこで新型インフルエンザの患者の疑いがあれば検疫法に基づき停留、患者と確定されれば入院勧告が行われます。
 この措置によって海外から帰国した社員が停留または入院となり、出社できない期間は休業手当の支払いは不要となります。


◆それ以外は休業手当が必要

 これらのケース以外で、会社が独自の判断で国の措置を超えて、社員に自宅待機を命じる場合には休業手当を支払わなければならないでしょう。



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2009年05月14日

派遣労働者に対する1年単位の変形労働時間制の適用


派遣労働者を派遣先において、1年単位の変形労働時間制の下で労働させる場合には、派遣元の使用者は、派遣元事業場において労使協定を締結する必要があります。

1年以内の一定の期間を平均し、1週間の労働時間が40時間を超えない範囲内において
労働日及び労働日ごとの労働時間を具体的に定める必要があります。

平成6.3.31基発181号

割増賃金の支払責任は派遣元事業主になります。


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2009年05月13日

特別条項付き三六協定

時間外労働にはある一定の限度時間があります。

一般的には1ヶ月45時間、1年360時間(3ヶ月超の1年単位変形労働時間制採用の場合は、1ヶ月42時間、1年320時間)までとなっています。
しかし、どうしても超えてしまう場合、特別条項付き36協定を結ぶことにより一定の期間について延長することができます。

(例文)
「一定期間についての延長時間は1ケ月30時間とする。ただし、通常の生産量を大幅に超える受注が集中し、特に納期が逼迫したときは、労使の協議を経て、1ケ月50時間、1年450時間までこれを延長することができる。この場合、延長時間をさらに延長する回数は、6回までとする。」


この場合、次の要件を満たしていることが必要です。
・原則として延長時間(限度時間以内の時間)を定めること。
・限度時間を超えて時間外労働を行わなければならない特別の事情をできるだけ具体的に定めること。
・一定期間の途中で特別の事情が生じ、原則としての延長時間を延長する場合に労使がとる手続を、協議、通告、その他具体的に定めること。
・限度時間を超える一定の時間を定めること。


以下、行政解釈より

「特別の事情」は、臨時的なものに限ること。

この場合、「臨時的なもの」とは、一時的又は突発的に時間外労働を行わせる必要があるものであり、全体として1年の半分を超えないことが見込まれるものであって、具体的な事由を挙げずに、単に「業務の都合上必要なとき」又は「業務上やむを得ないとき」と定める等恒常的な長時間労働を招くおそれがあるもの等については、「臨時的なもの」に該当しないものであること。

「特別の事情」は「臨時的なもの」に限ることを徹底する趣旨から、特別条項付き協定には、1日を超え3箇月以内の一定の期間について、原則となる延長時間を超え、特別延長時間まで労働時間を延長することができる回数を協定するものと取り扱うこととし、当該回数については、特定の労働者についての特別条項付き協定の適用が1年のうち半分を超えないものとすること。

回数の定め方としては、次のようなものがあります。

「(限度時間を超える期間、時間につき)1箇月50時間まで延長することができることとする。この場合、延長時間をさらに延長する回数は、6回までとする。」
「(限度時間を超える期間、時間につき)3箇月150時間まで延長することができることとする。この場合、延長時間をさらに延長する回数は、2回までとする。」

「特別の事情」については、できる限る詳細に協定を行い、届け出るよう指導することとしている。

「特別の事情」の例(臨時的と認められるもの)
1. 予算、決算業務
2. ボーナス商戦に伴う業務の繁忙
3. 納期の逼迫
4. 大規模なクレームへの対応
5. 機械のトラブルへの対応

臨時的と認められないもの
1. (特に事由を限定せず)業務の都合上必要なとき
2. (特に事由を限定せず)業務上やむを得ないとき
3. (特に事由を限定せず)業務繁忙なとき
4. 使用者が必要と認めるとき
5. 年間を通じて適用されることが明らかな事由

提出された協定に回数の定めがない場合は、「特別の事情」が「臨時的なもの」であることが協定上明らかである場合を除き、限度基準に適合しないものとして必要な助言及び指導の対象となるものであること。
(H15.10.22基発第1032003号)

監督署への届出に当たっては、上記のような例文を時間外労働・休日労働に関する協定届け(様式第9号など)の余白の部分に記載、または別紙に記載し添付、協定書の条文として記載し協定届に添付します。


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posted by 村岡社会保険労務士事務所・大阪 at 03:15| 三六協定

2009年04月28日

豚インフルエンザと休業手当

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090428-00000033-jij-pol

最近は豚インフルエンザなど新型インフルエンザが世界各地で報じられています。

以前、鳥インフルエンザに従業員が感染した場合の休業手当についての取り扱いを紹介いたしました。

http://roumukanri.sblo.jp/article/26205607.html

もし従業員がインフルエンザにかかった場合、症状が重ければ普通は仕事を休みますが、中には出勤する社員もいるかもしれません。
会社側は健康な他の従業員の感染予防のためにり患従業員に休業を命じた場合、休業手当の支払については、以下のとおりです。

1.H5N1の鳥インフルエンザについてのみ感染症予防法による就業制限にかかるため、り患従業員を休ませることは使用者の責による休業にはならないので、休業手当の支払は不要です。

2.H5N1の鳥インフルエンザ以外のインフルエンザに関して、り患従業員を休ませることは休業手当の支払が発生します。

1,2の場合でも感染予防の意味でり患従業員以外を休ませることは休業手当の支払が発生します。
大概はインフルエンザにかかれば有給を使って休むと思いますが・・・
H5N1型鳥インフルエンザにかかれば、そもそも強制的に入院しなければいけません。


感染症予防法その他の法令により就業制限措置が講じられた場合(感染症予防法)、これは事業主の責任とはいえないので、休業手当の支払義務は発生しません。

第1類〜第3類に分類される感染症については業務の種類ごとに就業禁止が定められています。
 http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01.html

豚インフルエンザに感染した場合の取り扱いについては、今後の発表を調べるといいでしょう。



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posted by 村岡社会保険労務士事務所・大阪 at 10:35| 賃金

2009年03月04日

三六協定 本社一括届出の要件


新年度を前に三六協定や1年単位の変形労働時間制に関する協定を締結する事業所が多いと思います。

労働保険のように労働基準法関係の届を一括できれば便利ですが、就業規則と三六協定は一括で届けることが可能です。

三六協定の本社一括届出の要件は、「時間外・労働休日労働に関する協定届(様式第9号(第17条関係))」の記載欄で、
・事業の種類
・事業の名称
・事業の所在地
・労働者数

上記4箇所以外がすべて同じであることが必要です。
したがって、事業場の労働者の過半数が加入している労働組合がない場合は一括で届出することはできません
中小企業にはハードルが高いように思います。

一括で届け出る場合はそれぞれの事業所分の三六協定を作成し、さらに「届出事業一覧表」を作成する必要があります。

届出事業一覧表には、「事業場の名称」、「住所(電話番号)」、「管轄労働基準監督署名」を記載します。

したがって全支店を1枚の紙に記載するのではなく、それぞれの支店分の三六協定が必要で、それぞれの監督署に送っていた手間を監督署(又は労働局)がそれぞれの監督署に送付するというイメージです。

あと一括の場合、様式第9号のみになるので、様式第9号の2(事業場外のみなしとセットのもの)などは一括届出出来ません。
あと勝手なカスタマイズ(A1年単位の変形労働時間制により労働する労働者が該当ないので行を削除するなど)は様式第9号とはいえないので不可となります。

当事務所でも三六協定や1年単位の変形労働時間制に関する協定届の相談、作成届出を承っております。
メール又は気軽にご相談ください。



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posted by 村岡社会保険労務士事務所・大阪 at 00:23| 三六協定

歩合給制の有給休暇中の賃金


年次有給休暇(労働基準法第39条)に対する賃金は、3種類あります。

1.平均賃金(労働基準法第12条)
2.所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金
3.標準報酬日額(健康保険法第99条)

給与で歩合給が支払われるような場合、その際の有給休暇の賃金に含めないといけないかが問題になります。


1.平均賃金の場合、有給休暇を取得した日以前、直前の賃金締切日3ヶ月間に支払われた賃金総額をその間の暦日数で割って算出します。
この場合、歩合給は含めて計算することになります。


2.通常の賃金の場合、歩合給を含めずに計算すると、仮にすべてが歩合給の労働者が有給休暇を取得した場合、賃金はゼロになり有給をとったとはいえません。

出来高払制その他の請負制によって計算された賃金の総額(歩合給)を当該賃金算定期間における総労働時間数で除した金額に、当該賃金算定期間における1日平均所定労働時間数を乗じた金額で計算することになります。(労働基準法施行規則第25条第6号) 

歩合÷その月の総労働時間数×その月の1日の平均所定労働時間数

例.歩合30万、総労働時間数220時間、1日平均所定労働時間数8時間
30万÷220×8≒10,909円(例で支払われるべき通常の賃金)

基本給や手当など出勤したものとして計算する他に歩合については上記計算で算出したものを参入する必要があります。


3.標準報酬日額を支払えばよいことになります。


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2009年03月03日

業績悪化に伴う内定取消はどのような場合に認められる?


◆業績悪化に伴う内定取消が増加

米国のサブプライムローン問題に端を発した世界的な金融危機に伴う急激な株価下落や景気悪化の影響による企業の業績悪化・業務縮小・事業撤退などを理由として、来春就職予定の学生の内定が取り消されるケースが相次いでいるそうです。業種は、不動産、住宅販売、建設、生命保険、ホテル、情報通信、システム開発、専門商社など多岐にわたっています。
大学側では「企業の業績悪化が深刻化してくるとさらに内定取消が増加するのでは」「実際にはもっと多くの学生の内定が取り消されているかもしれない」「この時期にこんなに内定取消が相次ぐことはここ数年間なかった」などといった不安の声もあがっているようで、また、2010年春に卒業・就職予定の現在の大学3年生の就職活動にも影響が出てきそうです。
企業・大学・学生いずれにとっても非常に深刻な問題である内定取消は、どのような場合に認められるのでしょうか。

◆裁判所の考え方は?

内定取消は、一般的に「客観的にみて内定を取り消してもやむを得ない事情がある場合」にのみ許され、単なる業績悪化だけを理由として簡単に認められるものではないとされています。
裁判例(大日本印刷事件:最判昭和54年7月20日)では、会社が応募者に「採用内定通知」を発して、応募者がこれに応じる旨の「誓約書」を提出した場合には、入社日を「採用内定通知」に記載された時期とし、「誓約書」に記載された採用内定取消事由が発生したときは当該契約を解約できるとの解約権が留保された労働契約が成立していると考えられる、としています。
さらにこの留保解約権については、内定の当時知ることができず、また知ることが期待できないような事実であって、これを理由として採用内定を取り消すことが客観的に合理的と認められ社会通念上相当として是認することができるものに限られる、としています。

◆「整理解雇の4要件」との関係

また、経営悪化を理由とする採用内定取消の場合について、いわゆる「整理解雇の4要件」の考え方に沿った判断を下した事例がありあます(インフォミックス事件:東京地決平9年10月31日)。
この事案では、
(1)人員削減の必要性、
(2)採用内定取消の回避の努力、
(3)人選の合理性は認められるが、
(4)手続きの面において十分な説明が欠けていたとして、採用内定の取消が無効と判断されています。したがって、採用内定を取り消すべきかどうかは、上記の4要件の考え方に沿って慎重に考えなければなりません。




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2009年02月02日

インフルエンザと休業手当

寒い時期になるとインフルエンザが流行ります。最近は鳥インフルエンザなど新型インフルエンザなども紹介されています。

もし従業員がインフルエンザにかかった場合、症状が重ければ普通は仕事を休みますが、中には出勤する社員もいるかもしれません。
会社側は健康な他の従業員の感染予防のためにり患従業員に休業を命じた場合、休業手当の支払については、以下のとおりです。

1.H5N1の鳥インフルエンザについてのみ感染症法による就業制限にかかるため、り患従業員を休ませることは使用者の責による休業にはならないので、休業手当の支払は不要です。

2.H5N1の鳥インフルエンザ以外のインフルエンザに関して、り患従業員を休ませることは休業手当の支払が発生します。

1,2の場合でも感染予防の意味でり患従業員以外を休ませることは休業手当の支払が発生します。
大概はインフルエンザにかかれば有給を使って休むと思いますが・・・
H5N1型鳥インフルエンザにかかれば、そもそも強制的に入院しなければいけません。病院


感染法に基づく入院+就業制限のある疾患(患者)

エボラ出血熱
クリミア・コンゴ出血熱
痘そう
南米出血熱
ペスト
マールブルグ病
ラッサ熱
急性灰白髄炎
結核
ジフテリア
重症急性呼吸器症候群
インフルエンザ(H5N1)


感染法に基づく、就業制限のある疾患(患者)

コレラ
細菌性赤痢
腸管出血性大腸菌感染症
腸チフス
パラチフス


以下、参考通達を引用
−−−−−−−−−−−−−−−−−
                          基発第511号
                          平成8年8月9日

都道府県労働基準局長 殿
                        労働省労働基準局長


          腸管出血性大腸菌感染症に係る対応について

 病原性大腸菌O−157を含む腸管出血性大腸菌による腸管出血性大腸菌感染症については、平成8年8月6日付け厚生省告示第199号により伝染病予防法(明治30年法律第36号)に基づき予防方法を施行すべき伝染病として指定されるとともに、その患者については、同日付け厚生省令第47号「腸管出血性大腸菌感染症について適用される伝染病予防法の規定等を定める省令」により伝染病予防法施行規則第31条第1項第1号に規定される業務(以下「就業制限業務」という。)への就業制限等の措置が講じられているところである。

 こうしたことを背景として、労働基準行政としても、腸管出血性大腸菌感染症にり患している労働者(病原体保有者を含む。以下「り患労働者」という。)の労働条件や労災補償に係る相談への対応及び事業者に対する労働衛生面の指導等を迅速かつ的確に実施していくことが必要であるが、これらについては下記の点に留意しつつ遺憾なきよう万全を期されたい。

                      記

1.り患労働者に係る解雇の取扱いについて

 腸管出血性大腸菌感染症のり患を理由とした解雇の取扱いに関する相談等がなされた場合には、労使における話し合いを勧奨するとともに以下の点に留意して対応すること。

(1)腸管出血性大腸菌感染症にり患していることのみを理由として解雇することは、一般的には、解雇権の濫用に当たるものと考えられるものであること。

(2)仮にり患労働者を解雇しようとする場合、腸管出血性大腸菌感染症にり患していることのみでは、労働基準法第20条第1項ただし書に規定する「労働者の責に帰すべき事由」には該当しないものであること。


2.休業手当の支給について

(1)り患労働者を休業させる場合に、労働基準法第26条に定める休業手当の支給要件である「使用者の責に帰すべき事由による休業」に該当するか否かの判断に当たっては、個別事案ごとに諸事情を総合的に勘案すべきであるが、一般的には次のように考えられること。
@ 就業制限業務に従事するり患労働者を休業させる場合は、法令に基づく就業制限を遵守するための措置であり、「使用者の責に帰すべき事由による休業」には該当しないと考えられること。
A 平成8年7月23日付け厚生省健康政策局計画課長、保健医療局エイズ結核感染
症課長、生活衛生局食品保健課長連名通知「腸管出血性大腸菌感染症による食中毒に係る2次感染予防の徹底について」(以下「厚生省通知」という。)に基づきり患労働者を休業させる場合は、「使用者の責に帰すべき事由による休業」に該当しないと考えられること。
B @及びAの場合においても、り患労働者を、就業制限に係る業務以外の業務に従事させることを十分検討する等休業の回避について通常使用者として行うべき最善の努力を尽くしていないと認められた場合には「使用者の責に帰すべき事由による休業」に該当すると考えられること。

(2)伝染病予防法に基づく就業制限及び厚生省通知に基づく行政指導(以下「就業制限等」という。)における対象労働者、休業の期間・業務の範囲を超えて労働者を休業させる場合については、一般的には「使用者の責に帰すべき事由による休業」に該当すると考えられること。
 したがって、単に顧客の減少により営業不振が見込まれるために事業場の全部又は一部を休業とする場合は、それのみでは休業手当の支払義務を免れないことはいうまでもないこと。

(3)なお、使用者からの問い合わせに対しては、就業制限等に係る対象労働者、休業の期間・業務の範囲が、いたずらに広く解釈されることのないよう留意するとともに、この就業制限等においては、り患労働者が同じ事業場内の他の就業制限に係る業務以外の業務に従事することまで禁止しているものではないことを説明し、労働者の生活面の安定を欠くことのないよう配慮されたい旨指導すること。


3.年次有給休暇の算定の基礎となる全労働日の取扱について

 就業制限等に基づき休業させた場合、当該休業は労働者の責に帰すべき事由に該当しないこととなるが、2の(1)及び(2)により当該休業が使用者の責に帰すべき事由にも該当しないと考えられる場合には、当該休業は労使いずれの責にも帰すべからざる事由によるものであることから、当該休業の日は全労働日に含まれないものとして取り扱うものであること。


4.労災補償の基本的な考え方について

 労働者が事業場に附属する食堂等における食事又は事業主の提供に係る食事を感染源として腸管出血性大腸菌による食中毒にり患した場合には、当該食事に起因してり患したという事実が存在すれば、特段の反証事由が認められない限り業務起因性を認めており業務上の疾病として取り扱われるものであること。


5.事業者に対する労働衛生面の指導等について

 事業場に附属する食堂等を有する事業者等に対する労働衛生面の指導については、従前より取り組んでいるところであるが、今後とも特に以下の点について留意して対応すること。

(1)事業場に附属する食堂等を有する事業者等に対し、腸管出血性大腸菌感染症に係る情報の提供を継続的に行うこと。また、食品衛生法等関係法令に留意し、食器具等の洗浄消毒、食品の衛生的取扱、調理従事者の健康管理等食堂等における衛生対策の自主的な点検の実施について指導すること。

(2)事業場に附属する食堂等を有する事業者等に対して、伝染病予防法に基づく就業制限の範囲等について周知を行うとともに、事業場内における衛生管理体制の整備について指導を行うこと。なお、腸管出血性大腸菌感染者に係る就業制限については、当面、伝染病予防法関係法令に基づく措置によることとし、労働安全衛生法第68条に基づく就業禁止の措置を講ずることは要しないものであること。

(3)都道府県産業保健推進センター及び地域産業保健センターにおいて、職場における腸管出血性大腸菌の感染防止対策等に関する情報提供を行うこととされていること。

(4)必要に応じ、関係事業者に対し、清潔の保持、労働衛生教育等に関し必要な指導を行うこと。


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2009年01月08日

改正労働基準法概要


労働基準法の一部改正が第170回国会で成立し、平成20年12月12日に交付されました。

改正労働基準法の概要は以下のとおりです。


1.時間外労働の割増率の変更

(現行)
・時間外労働・・・割増率25%
 ↓
(改正後)
・1ヶ月の時間外労働
(1)45時間まで・・・割増率25%
(2)45時間超・・・労使で時間短縮・割増賃金率を引き上げ(努力義務)
(3)60時間超・・・割増率50%(法的措置)(中小企業に対して猶予措置を講じる)
           引き上げ分の割増賃金の支払いに代えて有給の休日付与も可能


2.年次有給休暇の有効活用

(現行)
・日単位での年休取得
 ↓
(改正後)
・5日分は、子の通院等の事由などに対応して、時間単位での年休取得を可能とする。(労使協定の締結が必要)


3.改正労働基準法施行期日

・平成22年4月1日


労働基準法改正の詳細は後日記載します。


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2008年12月29日

「名ばかり管理職」排除通達について


◆管理監督者の範囲の明確化

厚生労働省は、「名ばかり管理職」問題を解決するため、労働基準法上の管理監督者に該当するかどうかの判断基準を示した「多店舗展開する小売業、飲食業等の店舗における管理監督者の範囲の適正化について」(平成20年9月9日付け基発第0909001号)と題する通達を、9月9日に出しました。この通達が出された背景には、店長に対する残業代支払いを大手外食チェーン等に命じる判決が相次ぐ中、裁判例を参考に法律の運用を見直す必要に迫られたことがあります。

◆9月9日付け通達の内容は?

上記の通達では、多店舗展開する小売業や飲食業を対象に、管理監督者性を否定する重要な要素を挙げています。
具体的には、
(1)アルバイト・パート等の採用に責任がないこと、
(2)部下の人事考課が職務内容に含まれないこと、
(3)遅刻や早退の際には減給等の不利益な取扱いをされること、(4)賃金額が当該企業の他の一般労働者の賃金総額と同程度以下であること、といった項目が列挙されています。

◆通達のより正確な理解のために

しかし、上記通達については、連合と日本労働弁護団が「管理監督者の基準の緩和につながりかねない」として同省に見直しを要請していた。そこで、業界団体等が誤った解釈をしないよう、厚生労働省は10月3日に新たに「多店舗展開する小売業、飲食業等の店舗における管理監督者の範囲の適正化を図るための周知等に当たって留意すべき事項について」(平成20年10月3日付け基監発第1003001号)を出しました。
この通達では、9月9日付けの通達の趣旨・内容が正確に理解されるように懇切丁寧な説明を行うよう求めており、次のポイントを指摘しています。
(1)店舗の店長等について、管理監督者の範囲の適正化を図る目的で発出されたものであること
(2)昭和22年9月13日付け通達で示された管理監督者の基本的な判断基準を変更したり緩めたりしたものではないこと
(3)判断要素は否定的な要素を整理したものであり、これらにひとつでも該当する場合には、管理監督者に該当しない可能性が大きいと考えられること
(4)通達に該当しない場合は、実態を踏まえ、慎重に判断すべきものであること
また、同省ホームページ上では9月9日付け通達に関するQ&Aも公開されました。通達の説明や周知徹底のために再度念が押されるということは、「名ばかり管理職」問題に対して国が本気で対応し始めたことの表れと言えるでしょう。企業では、この問題に対して速やかな対応策を取ることが求められます。


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